※ 学パロ (先生カイジ、生徒坊ちゃん)
本日も天気は良好、午後もすっきりとした晴れでしょう。
鍵がかかっている屋上へ侵入し、カイジは深いため息をついた。
やってられるか、こんな窮屈な仕事。いまだに自分が学校の教師になった事に違和感を覚え、そして苛々する。どうしようもない屑人間の俺が、何を生徒に教えるって?
ギャンブルのコツ?(俺は負けばかりなのに)生きた方?(それこそ教えられるものじゃない)
・・・結局、教科書通りに進める授業しかない。俺が学生時代、1番嫌いで退屈なつまらない授業だ。でも今ならわかる、そういう授業をしていた先生たちは、今の俺ときっと同じだ。
「・・・はぁ」
学校は神聖な学び小屋であるからして禁煙、なんて言葉は綺麗さっぱり無視して懐から出したマルボロを口に銜える。そのままもう一度懐をさぐりライターを探すが見当たらない。あれ?とズボンのポケットを探ってみるが、そこにも見当たらない。おい、まじかよ・・・冗談じゃない
「学校は禁煙だぜ?カイジ先生」
「っ・・・ひょ、兵藤・・・・・・」
「和也でいいって。それより、カイジさんが探してるのこれでしょ?」
突然聞こえた声に振り返ると、屋上のドアを開け寄りかかりながらこちらを見る生徒がいた。学生とは思えないがっしりとした体格、どこか威圧感があるその人物は俺の持ちクラスの生徒である兵藤和也だ。和也がほいっと投げよこしてきた物をキャッチすると、見覚えのあるライター。
「お前っ・・・俺からパクッたのか?!」
「やだなぁ人聞きの悪い。少し借りただけだって」
食えない笑みを浮かべている和也に恨めし気な視線を送りつつ、俺はすぐに背を向けライターで煙草に火をつけようとする。しかし火をつける直前、ちらっと後ろを振り返った。そこにはまだ和也が立っていて、ニヤニヤとこちらを見ている。
「・・・おい、屋上は立ち入り禁止なんだぞ」
「カイジさんこそ、屋上に入ってるじゃん」
「・・・・。」
俺が黙ったのをいいことに、和也はずんずんと俺の隣へと歩いてきた。隣に来たことがわかった俺は少しだけ間をあける。和也がピクッと片眉をあげ、訝しそうにこちらを見た。
「・・・なに、」
「近ぇんだよ!そんなに寄りそう必要ねーだろ」
「いいじゃん、誰もいないし。」
「そういう問題じゃねーよ。」
「それにカイジさん俺の事好きでしょ?」
「俺、お前の事好きじゃない」
「・・・仮にも俺生徒だぜ?そんな正直に言っていいのかよ」
「だってお前、こんな事言われても傷つくような柄じゃねーだろ」
いや、結構傷つくけど?
笑って和也が言えば、「嘘つけ」と今度こそ煙草に火をつけたカイジは煙を吐き出しながら言葉を返す。カイジさん、それも校則違反だよ。堂々と生徒の前で吸うのはカイジさんらしいけどさ。
「カイジさん」
「先生つけろよ」
「先生って柄じゃないじゃん」
「・・・・」
「あ、自覚あるんだ?ならさ、そろそろ俺への気持ちも自覚しろよ」
「だから、お前の事嫌いだって」
どこからその自信がくるんだよ、とカイジは和也をじとーっと見る。しかし和也とてなんで分からないんだとカイジを見る。お互い見つめ合い数秒、耐えきれなくなったカイジが視線をグランドの方へと移した。
「なんで俺と授業中目を合わせないの?」
「それはお前が嫌いだから」
「じゃあ、どうして俺と目が合ったら焦るの?」
「そっそれは・・・お前人相悪いから」
「なぁ知ってた?俺がカイジさんの方に行くと、少し嬉しそうに笑ってんだぜアンタ」
「っそんな事ねーよ!」
「じゃあ無意識に俺の事が好きなんだな。あー性質悪ぃ」
「違っ・・・!」
バッとこちらを向いたカイジの後頭部に手をまわし、和也はカイジの顔をこちらへ寄せた。
ふいに触れた唇。それは一瞬で、こちらへ寄せていた腕を離すと、よろよろと少しだけ後退したカイジの唖然とした表情が視界にはいった。それはまだ自分が何されたのか分かっていない表情だ。しかしだんだんと気づいてきたのか、わなわなと唇を震わせ瞳を目いっぱい見開いている。
「なぁ、俺の事好きなんだろ?」
「そっ・・・そんなわけねーだろ、馬鹿!」
冗談じゃねーよと鼻で笑ったカイジさんだけど、少しだけ赤くなった顔で言われても説得力がないぜ。
へたくそな笑顔が隠したもの
相変わらず、嘘が下手くそだなーカイジさん
学パロは結構好きです。好きなのにこんなグタグタ話です。好きか好きじゃないかを討論するっていう、ある意味バカップルのような話。早い話なんじゃこりゃ!ですね・・・いつもの事ー!