それは多分、興味・・・人とは何処か違う、その雰囲気に惹かれてしまったんだと思う。
たまたまふらりと街に出て、見かけたその人は周りに溶け込めずにいたような気がした。長くのばされた髪の毛に、目深に被っている帽子、左目の下にある傷。たいして寒くもないのに手袋をし、時折きょろきょろと辺りを見る。・・・どうにも、堅気には見えなかった。でもその道の人じゃない・・・一般人でもない。
膨れあがる興味は留まらず、アカギは静かに彼に近づいていった。
― ドスッ…
「っ痛………」
ぶつかった肩の痛みに振り返ろうとした彼は、俺を睨みつけるため振り返ろうとしたのだろう。だが、振り返ろうとしたその時・・・足元にあった石にひっかかりズサッと道ばたに転んでしまった。
わざとぶつかって、喋る切欠を作ろうと思っていた。だが、まさかそんな展開になろうとは考えていなかったアカギは、少し驚いた後おもわず笑いがこみ上げてきた。転んでしまった男・・・カイジは、痛みで少しだけ涙目になりながら上を見上げる。アカギはカイジの視線に気づき、口元に笑みを浮かべたまま手を差し伸べた。
「俺がぶつかったせいで転んじゃったね、ごめん」
「あ・・・いや・・・・・別に」
アカギの笑みを浮かべる顔を見て、羞恥で顔を赤くしたカイジはその手を借りずに1人で立ち上がった。アカギは差しだした手を残念そうにさげ、ジーンズについた埃を払い落とすカイジをじっと見た。
近くで見れば見るほどにわかる・・・・他の人とは違う。どこか・・・
「(俺に似てる・・・?いや、そんなわけない・・・か・・・)」
「あ・・・の・・・じゃあ、俺もう行くから・・・」
「待って。俺が転ばせちゃったんだから・・・一杯、奢るよ」
「いや、い「さ、行こうか」え?俺の意見無視っ・・・?」
拒否するカイジの手を取り、アカギは上機嫌で歩き出す。
カイジが「戦争だろうがっ・・・!」と言っているのはこの際無視だ。
肩をぶつけて作るきっかけ
アカギとカイジの出逢いです。この後喫茶店で自己紹介とかするんでしょうね・・・時間枠は気にしないで下さいっ・・・!気にしたらそれこそ戦争っ・・・!(笑